来るとは言い切れぬ未来で待ち合わせ

青森市在住。日々の出来事について適当に書いています

村田紗耶香「コンビニ人間」を読んだ

ミカンズ

青森市シーナシーナのフードコート内にある「の郎」で、待望のつけ麺の提供が始まっていることを知った。いつからやってたかわからないが、ジャスコの「大勝軒」で昔発売していたの郎つけ麺が大好きだったので嬉しい。麺が柔らかめで独特だったが、これぞあの時のつけ麺。これで「の郎」が自分の中で特別な店になったと思う。


今日は2週間ぶりに県立図書館に行く。前々から読書系youtuberのチャンネルを観てオススメとされていた中から、数冊を狙って借りてきた。本当は夕木春央の「十戒」が読みたかったが、人気作ということで貸し出し中だし予約も入っているとのことで諦め、次の候補作のラインナップから借りる。

それで、一瞬で読み終わったのが村田紗耶香「コンビニ人間」だ。152ページ、信じられないくらいに読みやすくてあっという間に終わる。調べたら2016年に芥川賞を受賞した作品とのこと。


主人公古倉(女性)は小さいときからみんなと同じであること、普通であること、の感覚がわからず、明らかに生まれ持った「気質」がある。自分は周りと違うんだなと自覚しながら生きてきたが、大学生の時に目に付いてコンビニのバイトを始めて、コンビニの店員として求められる技を習得したら、やっと自分が社会の一員(普通)になれた気がした。そこから18年が経過して今もずっとコンビニのバイトを続けている。


コンビニで働く際に必要なあいさつ、品出し等、基本的な事項を覚えて、コンビニ店員に適合してはいるけれども、一般的な常識とか、大勢の人が持っているであろう感覚のようなものは依然全くわからないし理解もできない。年齢が36歳になって、周りから「結婚しないのか」「なんでいつまでもバイトしているのか」と言われるようになって、また段々社会から認められていない感覚に陥っていく。


程度の差こそあるものの、自分も、社会の普通の感覚っていうものが遠く感じたり、理解できなかったりするのはなんかちょっとだけわかるなあと思う部分はある。仕事をこなしていて一見ちゃんとした大人のように見えているけれども、自分も日常では非常にグータラだし本来人とも喋りたくない。それを無理くり社会のほうに合わせて、社会人を演じて生きているなという感覚は少しある。


そういう部分がほかより極端に大きい、あまりに特徴的な主人公が「普通」を目指そうとしてやはり駄目で、最後には「自分はコンビニ人間である」と確かに自覚したという点、自分はこれはハッピーエンドとして見ても良いのではないかと感じた。妹との関係や友人関係には亀裂が入りまくりだが(普通になってよと泣きじゃくる妹を前に、平然とプリンを食べたシーンはなかなかに怖かった)。


多様性だなんだと言われている世の中なのに、許容範囲を超えた異質物は社会から排除されてしまう。自分の職場にも、どうも、心から人の気持ちが理解できてなさそうな人がいて上司が毎日苦心しているが、当の本人もまたいろいろ悩んでいるのかもしれないな。なんか、「普通ってなんだろう」と、強烈な問題提起を食らったような不思議な感覚に陥る話だった。


●キャラクター:5ポイント

なんと言っても異質の主人公の個性が凄い。ほか、明らかにクズと思えてしまう白羽もキャラが濃い。

●世界観・雰囲気:4ポイント

主人公にとっては世界の全てだが、仕事としてのコンビニの世界が見える。あとは、主人公が社会から明らかに「ヤバいなこいつ」と思われている描写・雰囲気がリアル

●ストーリー:3ポイント

主人公が「普通」になるために試行錯誤した結果、最終的に真理を得るというもの

●読みやすさ:5ポイント

普通とは、という難しいような気がするテーマなのに、言葉が簡単で読みやす過ぎた。集中すれば半日以内に読み終えられると思う。

●どんでん返し:1ポイント

どんでん返しは無い。でも結末が読めないと言う点ではどんでん返しのような感覚はあったかも。

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