綾辻行人「どんどん橋、落ちた」を読み終えた(ネタばれあり注意)

図書館で借りた本2冊のうちのもう1冊、綾辻行人の「どんどん橋、落ちた」を、3連休のうちに集中的に読み終えた。
相棒のジェミニ君いわく、4章仕立てで、前回も書いたとおりに自分が気になっている「叙述トリック」が散りばめられ、ミステリー仕立てでありつつ読者をあっと騙すような仕掛けが施されているとのこと。「初心者に非常にとっつきやすい本です」と話していただけのことはあり大変読みやすかった。
内容は、かなりパズルチックというか、仕掛けのほうに力が入っている印象を受けた。ミステリー部分が「問題編」として出題されて、読者に挑戦しつつ「解答編」が続く。
第一章の『どんどん橋、落ちた』は、橋がボロボロで人は渡れる状態ではなかったにも関わらず、何者かが橋を渡って、向こう岸の被害者を殺した。一体どうやって、人が渡れない橋を渡ったのか?というのが謎で、答えは「作中の登場人物は一部人間ではなく猿だった」というオチ。
また第二章の「ぼうぼう森、燃えた」は、森に住む群れの犬たちを擬人化して、殺人ならぬ殺犬事件を描く。被害者を殺したのは誰か、というところで「犬は色の区別がつかない」であるとか「嗅覚が鋭い」なんていうのをキーポイントにしながら物語が進むも、答えは「犯人は犬に育てられた人間だった」というオチ。
こうして文で書くとあまりにもあっさりしており、こんなの誰が気づくんだよと思ってしまいがちだが、実際は文中でちゃんとヒントというか、匂わせがあって作者は一切嘘をついていない。二章の「実は人間だった」に関してはたまたま、見破ることができたものの基本的にはやはり綺麗に騙されてしまう。これぞ、叙述トリックだなと感心した。
まあ、本当に内容的にはちょっと、動物が沢山出てくることもあって感情移入することはなかったというか、深く心を揺さぶられるようなことは無かったのだが。でも慣れない本読みの体験を一つまた積み重ねられたなと言う意味で満足感はあったように思う。引き続き、読書を趣味の一環と呼べるレベルにまで引き上げるべくドシドシ読んでいきたい。